新規スタッフ加入のお知らせと院内研修について
お世話になっております。ダヴィンチ治療院 院長の神田です。
先日、訪問マッサージ依頼の急増を受けて、現状の訪問スタッフの空き枠がほとんど無くなり、スタッフの急募を行わせて頂きました。
緊急に応募してまだ10日余りですが、お二人のマッサージ師の先生からご応募を頂き、この度、ご入職頂ける運びとなりました。
お二人とも、他院にて訪問マッサージの経験がそれぞれ4年、8年と長く実績もあり、非常に期待を寄せております。
まずは、そのことにお礼を申し上げます。
ご紹介を頂きました関係者およびご応募を頂いた先生方、本当にありがとうございました。
さて、
当院の訪問マッサージですが、医療マッサージに加え、リハビリ(機能訓練)の希望依頼も大変増えております。
実質、リハビリ要素を含んだ依頼が全体数の7~8割となっております。
ご依頼内容においても、
現病歴が複数お持ちであり、病態把握が複雑なケース、
ご事情があり、半年以内で状態の改善を希望されるケースなど、
かなり対応が難しい依頼が多く、従来のマッサージのイメージにあるような局所的な痛みや張りに対してのマッサージ依頼、といった内容はほとんどありません。
まさに、訪問マッサージ+訪問リハビリというスタンスで施術を行い、お一人お一人、全力で取り向かないと、状態改善が厳しいケースが多々あります。
ご入職されたお二人の先生は、そうしたニーズに対して答えなければならず、非常に大変と思いますが、ぜひとも頑張って頂きたいと思います。
当院で働いている先生方も、各々苦労しながらも前向きに取り組まれています。
私も当然ながら、責任者・教育者として精一杯のバックアップをさせて頂く考えです。
まずは、初期研修を1か月以上しっかりと行い、ダヴィンチ治療院としての基礎力を付けてもらってから訪問へと出て頂きたいと思います。
当院では、他院にて数年以上の訪問実績があっても、必ず最初に基礎研修を1~2カ月行わせて頂いております。
今回についても、さっそく今週から研修開始を予定しております。
今までは、ご入職ごとに私がマンツーマン指導を行っていましたが、当院も開設して10年目を迎え、
今後の入職される方も見据えて、オンライン方式での研修やYouTubeでの動画学習も取り入れていけたらと考えております。
その方が、他のマッサージの先生方も見ることができ、今一度、再確認して勉強できるものと思います。
では、当院の教育研修について、内容をざっと流しながら説明させて頂きます。
①研修1(バイタル計測)
訪問マッサージでは、おおよそに事業者が1訪問20分と短く、血圧などのバイタル計測を行っていません。
当院では、血圧はアネロイド計と聴診器を用いてしっかりと聴取します。
電子血圧計では不正確な面も多く、肺雑音などが懸念される場合に対応が可能だからです。
大学病院でも最近は電子血圧計を看護師が使っているのを見かけますが、手際が良ければ1分程度で済む話ですから、正式な方法を取って欲しいところです。
研修では、まず血圧測定がしっかりと行えるところからスタートします。
訪問リハビリでも見学すると、バイタル計測に10分近くかかっているケースが見られます。バイタル計測は全部含めて5分以内が上限です。
マーシェットを長い時間巻くと患者様への負担がかかり、施術時間もその分短くなってしまうからです。
補足ですが、サチュレーションの計測もパルスオキシメーターを用いて訪問時に測定します。
機器は数値の正確性から日本製しか使いません。新型コロナウィルスの問題から、サチュレーションの数値を気にする患者様も増えています。
週に1回、数値が聴取できれば、肺炎などのリスクも軽減できると思います。
②研修2(関節運動)
施術においては、何と言っても関節運動が一番重要です。
セラピストの位置、触れ方、把持の仕方、動かす方法、動かすスピードなどの要素、これらを意識して行えているか、これが全ての治療への基本所作となります。
関節ごとに運動要素、参考関節可動域が決まっていますので、それらを把握したうえで、施術と同時に患者様の状態把握(評価)を行えないといけません。
簡単なようで、実は奥深いところですから、ここは何度も練習が必要です。治療の上級者ほど、簡単にやって見えるものですが、実際に自分でやると大違い、ということも多く起こります。
③研修3(マッサージ・あん摩・指圧の区別)
訪問マッサージは、あん摩マッサージ指圧師の国家資格者のみが行える医療保険適用の訪問サービスです。
一つの国家資格ですが、あん摩(中国按摩)、マッサージ、指圧という3つの手技療法を含んだ呼び名となります。
それぞれ、実施方法や目的・効果が異なるため、これをどう使い分け、自身の患者様に適応させていくかが重要となります。
実際のあん摩マッサージ指圧師の中にも、これらの区別が曖昧となり、意識していないケースも見られます。
当院の初期教育では、この点をしっかり再度確認して頂きながら、実際の練習を行っていきます。
④研修4(基本起居動作のバイオメカニクス)
当院では、リハビリ(機能訓練)も積極的に実施していますが、そのベースとなるのは基本動作の修正や再獲得です。
運動学に基づき、基本動作のバイオメカニクスが理解できていないと、適正な指導、直接的なアプローチができません。
寝返り、起き上がり、座位、立ち上がり、立位、歩行についてそれぞれ細かく学んで頂きます。
自立歩行が可能であるのに、寝返りや起き上がりはできない、といったケースも臨床では見られます。
なぜ、そのようなことが起こるのでしょうか?それぞれの運動要素、必要な能力等が分かれば、その理由が自ずと説明できるようになります。
⑤研修5(動作介助)
当院は医療保険サービスですが、ほぼ全ての患者様が、介護保険における要介護認定を受けておられます。平均は要介護2~3であり、歩行困難な方が半数以上を占めています。
そのため、歩行介助に加え、車椅子への移乗、寝返りや起き上がりなどの介助も実施します。基礎疾患が違う、動きの特徴がそれぞれ違うため、残存性を活かしながら介助法を実施していく必要があります。
研修4でのバイオメカニクスを理解した上で、介助法について基本的な方法を学び、個々のケースにおける最善な方法を模索し、ご家族やご本人に提案する力を養います。
⑥研修6(その他の手技療法)
今までの訪問経験から有効と思われる手技療法について研修をします。
具体的には、リハビリ関連手技(PNF)やオステオパシー・カイロプラクティックなどの在宅に応用できる手技をいくつか練習します。
在宅の患者様は、一人で多くの疾患を抱える、複合的な症状を呈しているなど、有効な治療手段が中々見つからない傾向があります。
そのため、施術内容においても多くのバリエーションを揃え、その方に合った内容を選び、実践する、包括的アプローチ(オリジナルプラン)を提供することが重要です。
実際には、思ったような効果を得ること自体が難しい、それが在宅の現場ですから、決まった概念に囚われず、その方に良かれと思ったことは、何でもやる、という熱意が重要です。
以上、簡単に項目を並べて説明しました。
これらをある程度できるようになって、初めて在宅の現場に出る(自己完結の施術が可能)ということになります。
私自身、ダヴィンチ治療院の院長を務め、在宅医療にも12年以上関わっていますが、まだまだです。
思うように改善が図れずに、毎日反省し、時に深く悩むこともあります。そうした大変な環境こそが在宅です。そして、常に自分自身の人間性(人間力・人生観)が試される。
見方によっては、本当に大変で割に合わないことばかりとも思えますが、大きなやりがいがあり、自分磨きには最高である、とも言えます。
そうした在宅の醍醐味がぜひ、分かるようになって頂き、自分の施術家としての役割を果たして頂けたらいいなと思います。
私も毎日精進しながら、少しでも患者様や訪問する先生方の力になりたいと考えております。
引き続き、どうぞ、よろしくお願い致します。
これからも、どうかダヴィンチ治療院(訪問マッサージ)をご愛顧頂けましたら幸いです。
町田市の訪問マッサージ ダヴィンチ治療院 院長
理学療法士・あん摩マッサージ指圧師 神田裕幸
私はマッサージは日本指圧専門学校(浪越学園)出身なので、個人的には全身指圧の普及にも携わりたいと考えています。
臨床において、自律神経調整が図れる数少ない治療法の一つであると考えています。