訪問マッサージと歩行訓練、杖歩行について
お世話になっております。町田市訪問マッサージ「ダヴィンチの手」
訪問スタッフ(あん摩マッサージ指圧師)の岩井将人と申します。
本日は、訪問マッサージ「ダヴィンチの手」の求人向けブログとして、
当院が日々の臨床現場で大切にしている視点と、訪問現場で実際に求められる専門性についてご紹介いたします。
訪問マッサージの現場では、「施術ができること」だけではなく、「生活を支える視点」が極めて重要になります。
特に、歩行に不安を抱えるご利用者様や、杖を使用されている方への関わりは、私たちの専門性が非常に発揮される場面の一つです。
当院では、筋緊張の緩和や関節可動域の改善といった一般的な施術に加え、
立位・歩行動作、体幹アライメント、骨盤帯の安定性、重心移動の質まで含めて総合的に評価を行っています。
その中で、日常生活に直結する動作、特に「歩く」という動作を安全に維持するための支援を重視しています。
実際の訪問現場では、杖を使用されているご利用者様が多くいらっしゃいます。
しかし、杖を持っているだけで、正しく使えている方は決して多くありません。
杖の高さが合っていない、持つ手が適切でない、先ゴムがすり減ったまま使用されている、
歩行の順序が誤っているなど、転倒リスクを高めてしまう要因は数多く存在します。
私たちは、単に「歩けているか」ではなく、
・体幹が過度に前傾していないか
・立脚期に骨盤帯が不安定になっていないか
・上肢で過剰に体重支持を行っていないか
・頸部から肩甲帯に過緊張が生じていないか
といった点を丁寧に観察しながら評価を行います。
特に、杖使用者様では、体幹側屈や前傾姿勢の固定化により、頸部から腰背部にかけて慢性的な筋緊張が生じやすくなります。
このような姿勢の崩れは、疼痛の原因になるだけでなく、転倒リスクにも直結します。
そのため当院では、局所的な施術だけでなく、体幹機能や骨盤帯の支持性を含めた全身評価を前提とした施術計画を立てています。
歩行場面では、いわゆる三動作歩行の理解も重要です。
まず杖を前方に出し、次に痛みのある足を前に出し、
最後に反対側の足を前に出すという基本動作は、下肢への負担を軽減しながら歩行するための重要な技術です。
痛みが軽度の場合には二動作歩行を選択することもありますが、
その場合でも、バランス能力や体幹の安定性を評価した上で、無理のない動作を指導することが求められます。
訪問マッサージの現場では、リハビリ職と同様に、動作観察能力と臨床推論が必要になります。
単に「この動きができない」という評価ではなく、
なぜできないのか
どこに制限があるのか
どの筋・関節・姿勢制御が影響しているのか
を考えながら施術を組み立てていく力が求められます。
当院では、施術の中で歩行練習や立位保持練習を行うだけでなく、
杖の高さ調整、先ゴムの状態確認、持ち方の確認など、環境面へのアプローチも重要な業務の一つと考えています。
先ゴムの摩耗は、現場で非常によく見落とされがちなポイントです。
床との摩擦が低下すると、滑りやすくなり、わずかな不整地でも転倒につながります。
このような小さなリスクを見逃さず、利用者様やご家族へ分かりやすく説明できることも、訪問マッサージ師に求められる大切な役割です。
屋外歩行では、段差、傾斜、マンホール、点字ブロック、雨天時の滑りやすい路面など、注意すべき環境要因が数多く存在します。
訪問現場では、こうした生活環境を実際に目で確認できるという大きな利点があります。
病院や施設内だけでは見えない、ご利用者様の本当の生活環境の中で支援できることは、訪問マッサージならではの魅力です。
当院では、「安全に外出できる身体づくり」を大きな目標の一つとしています。
自宅内で安全に移動できることはもちろん、地域活動や外出を継続できる身体機能を維持することが、ご利用者様の生活の質に直結すると考えているからです。
訪問マッサージ「ダヴィンチの手」では、スタッフ同士で身体評価や動作観察の視点を共有しながら、日々の臨床力の向上を目指しています。
経験年数に関わらず、評価や施術の考え方を相談できる環境があり、一人で悩みを抱え込まない体制づくりを大切にしています。
訪問マッサージは、一人でご利用者様宅へ伺う仕事ではありますが、決して孤立した働き方ではありません。
日々の情報共有や症例の相談を通して、チームとして利用者様を支える体制を整えています。
これから訪問マッサージの分野に挑戦したい方、
これまでの臨床経験を在宅分野で生かしたい方、
動作分析や生活支援に関心のある方にとって、当院の現場は大きな学びの場になると考えています。
施術技術だけでなく、「生活を見る視点」「動作を評価する力」「安全に外出できる身体づくりを支える専門性」を身につけたい方は、ぜひ私たちと一緒に働いてみませんか。
訪問マッサージ「ダヴィンチの手」は、これからも地域に根差した在宅医療の一端を担いながら、
ご利用者様の生活を支える専門職として成長し続けていきたいと考えています。
岩井 将人
