採用コラム

脳・神経・筋肉のつながりから考える訪問マッサージ


身体はどうやって動く?

―脳・神経・筋肉のつながりから考える訪問マッサージ―

お世話になっております。
訪問マッサージ ダヴィンチの手の訪問スタッフの岩井 将人です。

訪問マッサージの仕事というと、「ご自宅や施設を訪問して、患者様の身体を揉みほぐす仕事」というイメージを持っている方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、実際の臨床ではそれだけではありません。

私たちが日々向き合っているのは、脳血管障害の後遺症や廃用症候群、関節拘縮、筋力低下など、さまざまな身体機能の問題を抱えた患者様です。

そこで重要になるのが、「なぜ、この方は動きにくいのだろう?」と考える視点です。

今回は「脳・神経・筋肉のつながり」という観点から、ダヴィンチの手が大切にしている訪問マッサージについてご紹介します。

■身体は筋肉だけで動いているわけではありません

たとえば「右手を上げる」という簡単な動作でも、身体の中では多くの働きが連続しています。

脳で運動が計画され、運動指令が脊髄から末梢神経を経由して筋肉へ伝達されます。筋肉が収縮すると関節が動き、実際の運動が起こります。

同時に、筋肉や関節、皮膚などからは、身体の位置や動き、接触などに関する感覚情報が中枢神経系へ伝わります。

脳はその情報を利用しながら、次の運動を調整していきます。

つまり、

脳 → 神経 → 筋肉・関節 → 感覚入力 → 脳

という循環の中で私たちの運動は成立しています。

そのため、患者様の「腕が上がらない」という訴えに対しても、単純に肩周囲の筋肉が硬いと判断するだけでは十分でない場合があります。

関節可動域、筋緊張、疼痛、肩甲帯や胸郭の動き、体幹の支持性、姿勢、感覚、そして既往歴など、さまざまな要素を確認する必要があります。

このように一つの症状を身体全体から考えることが、訪問施術の面白さの一つだと思います。

■高齢者の臨床では「廃用」という視点も重要です

訪問マッサージの対象となる方には、長期間ベッド上で過ごしている方も少なくありません。

活動量が低下すると、筋力低下だけでなく、関節可動域の低下、筋・軟部組織の柔軟性低下、姿勢保持能力の低下などが生じることがあります。

すると、

動かない → 動きにくくなる → さらに動かなくなる

という悪循環につながります。

このような方に対して、強い運動を行えばよいわけではありません。

その日の全身状態、覚醒度、疼痛、疲労、循環動態などを確認しながら、マッサージや関節運動、体位変換、座位などを組み合わせていく必要があります。

「今日はどこまでできるのか」

「何をすると身体の反応が変わるのか」

患者様の小さな変化を観察しながら、その日の施術を組み立てていきます。

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■マッサージを「感覚入力」という視点から考える

マッサージには、筋緊張や疼痛など身体の状態に応じて用いるさまざまな目的があります。

さらに、臨床を考えるうえでは「身体に触れること」自体も一つの感覚刺激として捉えることができます。

皮膚への接触、筋への刺激、関節運動などによって、身体から中枢神経系へさまざまな感覚情報が伝わります。

そのためダヴィンチの手では、患者様の状態に応じてマッサージだけでなく、関節運動や肩甲帯・骨盤帯へのアプローチなども組み合わせながら施術を行います。

重要なのは、決まった手技を全員に同じように行うことではありません。

「この刺激に対して患者様の身体がどう反応したか」

を確認しながら施術を進めることです。

施術前より肩が動きやすくなった、身体を起こしやすくなった、呼吸が落ち着いた、表情が変化した――。

こうした反応を一つひとつ確認することが、次の施術を考える材料になります。

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■手足だけでなく「体幹とのつながり」を見る

臨床では、痛みや動かしにくさのある場所だけに目が向きやすくなります。

しかし、上肢の運動には肩甲帯や胸郭、体幹が関係し、下肢の運動や立ち上がり、歩行には骨盤や体幹の支持性が関係します。

たとえば「肩が上がらない」という場合でも、肩関節だけではなく、肩甲骨や胸郭、脊柱の動きを確認すると見え方が変わることがあります。

立ち上がりについても同様です。

大腿部の筋力だけを見るのではなく、足底接地、重心移動、骨盤・体幹の位置、上肢支持などを観察すると、「なぜ立ちにくいのか」をより具体的に考えられるようになります。

訪問マッサージは患者様の日常生活の場で施術するため、こうした身体機能と実際の生活動作を結びつけて観察できることも大きな特徴です。

■「できないこと」ではなく「できること」を探す

高齢者や障害のある方への施術で、私たちが大切にしたいことの一つが残存機能です。

寝返りが少しできる。

手すりを握ることができる。

足底で床を感じられる。

数十秒なら座位を保持できる。

介助があれば立ち上がれる。

こうした一つひとつの「できること」は、患者様の生活を支える大切な能力です。

すべてを施術者が動かすのではなく、患者様自身が持っている力を見つけ、それを可能な範囲で活用していく。

その積み重ねが、ADLの維持や身体活動の機会につながっていきます。

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■訪問だからこそ学べる臨床があります

訪問の現場では、患者様一人ひとりの疾患、身体機能、生活環境が異なります。

教科書通りにいかないことも少なくありません。

だからこそ、「この方に今必要なことは何だろう」と考える力が磨かれていきます。

筋肉を触る技術だけではなく、姿勢を見ること、関節を動かすこと、身体全体のつながりを見ること、患者様の反応を観察すること、そして生活動作へ結びつけて考えること。

こうした経験を積み重ねられることが、訪問マッサージという仕事の魅力ではないでしょうか。

ダヴィンチの手では、単に「揉む」だけではなく、患者様の身体を評価し、考えながら施術できる訪問スタッフを目指していきたいと考えています。

「もっと身体のことを学びたい」

「マッサージだけでなく、機能訓練や身体の動きについても理解を深めたい」

「患者様一人ひとりと向き合いながら、自分の臨床力を高めたい」

そのような方にとって、訪問の現場には多くの学びがあります。

患者様の身体に触れ、小さな変化を見つけ、その方が持っている「動く力」を生活へつなげていく。

私たちと一緒に、身体を診て、考えて、患者様の生活を支えられる施術者を目指してみませんか。

訪問マッサージ ダヴィンチの手 練馬の手

訪問スタッフ あん摩マッサージ指圧師 岩井 将人


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