初期研修中に院長が語ったこと(取材まとめ)
お世話になります。
ダヴィンチの手で院長補佐(広報担当)をしています西垣です。
今日は、先日の初期研修で院長がスタッフに語った内容をご紹介します。
全部で8項目あります。
私は医療資格者(あん摩マッサージ指圧師)ではないため、多少、素人的な表現になるかもしれませんが、ご容赦下さい。
1.「ダヴィンチの手」の歩みと目指す未来
「ダヴィンチの手」は、訪問診療マッサージを通じて、患者様の健康と生活を支える事業所です。
私たちは、単なる施術にとどまらず、地域社会に貢献し、患者様の幸せの追求、訪問スタッフが誇りを持てる環境を築いていくことを目指しています。
今年は、訪問スタッフの人数を40名まで増やすことを目標とし、先行して報酬(歩合給)の引き上げを実施しました。
これは、物価高騰が続く中、働くマッサージ師の心に少しでも安心と余裕を持たせるため、良好な職場環境を作るための取り組みと考えております。
今後も、初期研修を受けているマッサージ師達が訪問をしっかりとこなせるようになることで、さらなる体制の強化を図っていけると考えております。
訪問マッサージの価値を高めるためには、質の高い施術と患者様との信頼関係(ラポール)を構築することが不可欠です。
経営においても、商業的な利益を追求するのではなく、地域経済の発展に貢献しながら事業を運営していくという考え方が、私たちのポリシーです。
2.地域経済の活性化のための心がけ
~現金がもたらす地域経済へのメリット、なんでも電子化してはいけない理由~
私たちは訪問マッサージを通じて、患者様の健康を支えるだけでなく、地域経済の活性化にも貢献することを大切に考えています。
地域の活性化、協力という意味で、極力地元でお金を使うということを意識しています。
町田市内での研修や会議、食事会などを催し、極力地域に触れ合うようにしています。
加えて、飲食店では「現金での支払い」を推奨することで、個人事業主での経営を少しでも手助けするよう協力しています。
近年、キャッシュレス決済が主流になりつつありますが、それには事業者側の手数料が伴います。
例えば、クレジットカード決済では6~7%の手数料がかかり、小さな事業者ほどその負担が大きくなります。
質の高い商品やサービスを提供する店舗ほど「現金払い」を選びたくなる理由がここにあります。
実際に、地域の個人商店や飲食店などでは「現金で払ってくれるお客さんほどありがたい」という声が多く聞かれます。
当事業所では、名刺やホームページの作成・管理を町田市内の事業者に依頼し、多少割高でも地域の活性化につながるよう意識しています。
研修時の昼食も、チェーン店ではなく、地元の飲食店を利用することで地域経済を支えることを心がけています。
例えば、町田の中華食房「みやの」のおばちゃんのお店や、鶴川六丁目のイタリアン「ぺスカ」など、地域に根ざしたお店を選び、現金で支払いをするようにしています。
キャッシュレス決済は便利ですが、現金での支払いには「つながり」を生む力があります。
「現金を手渡し」することで、「ありがとう」という気持ちが伝わり、より温かい人間関係が生まれます。
また、電子決済が主流になると、地域の小規模事業者の経営が厳しくなることもあります。
地域経済を守るためには、すべてをデジタル化するのではなく、必要な場面では現金を使うことが重要なのです。
このように、「ダヴィンチの手」では、地域経済に貢献しながら活動を続けています。
患者様との関係を大切にするのと同じように、地域とのつながり、他業種での協力を図ることも、私たちの役割なのです。
3.「一事が万事」 ~患者様への心構え~
私たちが日々施術を行う際、大切にしている言葉があります。それは「一事が万事」。この言葉には、どんな場面でも誠実な対応を心掛けるべきだという意味が込められています。
例えば、患者様には丁寧に接する一方で、日常生活では乱暴な言葉遣いをしてしまう、というのでは本当の誠実さとは言えません。
私たちが訪問マッサージを行う理由は、「人のために何かしたい」という気持ちから始まっているはずです。
この思いを持ち続けられる環境をつくることが重要です。
いつも、どこでも、誰に対しても誠実であり、親切であり、真心があること、これが医療者として大切なことだと思います。
4.人生と仕事についての一考察 ~自然に沿った生き方~
訪問マッサージを続けていると、人生の様々なあり方に気づかされます。
人は、自分の損得ばかりを考えて生きていると、最終的に良い結果を得ることはできないのではないか、人のために尽くすことで「徳」を得て、自分自身の人生も豊かになるのではないか、と思っています。
私(院長)の祖母は、生前「ありがとう」を大切にしていました。
長く施設に入所していましたが、生活の中で介護職員に感謝を言い続けていました。その影響か、亡くなるまで多くの人が彼女を支え、関わりを持ち続けました。
このように、人に感謝し、誠意を持って接することは、長い目で見れば人生をより良いものにします。
身体を鍛えることで余力が生まれるのと同じように、心の在り方も鍛えることで豊かになります。
訪問マッサージという仕事を通じて、単なる技術だけではなく、人生における心の持ち方を大切にし、成長していくことが重要です。
このように、ダヴィンチの手では「誠実な仕事」「感謝の心」「人とのつながり」を大切にしながら活動を続けています。
患者様に寄り添い、地域に根差した取り組みを進めていくために、これからも皆さんと共に歩んでいきます。
5.己の限界を知り、己の力を最大限に活かす ~人生をひらこう~
当院に新しく加わったマッサージ師へ伝えている重要なこと。
当院では、一人ひとりが自分の限界を理解し、その範囲内で最大限の力を発揮することを重視しています。
無理をすることが美徳ではなく、自分ができることを着実に積み重ねることで、患者様により良い施術を提供できると考えています。
例えば、今年の1月に入職した金辺先生は、元プロ競輪選手として、厳しい世界を経験してきました。
2月の引退まで、現役のプロアスリートとして働いてきました。
おそらく「己の限界を知りつつ、それに近づこうとする、乗り越えようと努力をする人が、本当の意味で成長する」ということをご存じだと思います。
だからこそ、この訪問マッサージの研修においても、他の先生よりも不安や恐怖が伴うのだと思います。
プレッシャーを感じることは、決して悪いことではありません。
人のために頑張りたい、結果を残したい、と強い気持ちがあるからこそ、不安が伴うのです。
プレッシャーが全くない、というのは逆におかしいことです。
私も在宅に携わって17年になりますが、今でも不安や恐怖を持ち続けています。
それが普通なことなのです。プレッシャーが単なる重荷にならないよう、良い結果に結びつくよう努力を重ねることです。
マッサージ師の一人一人が、自分で道を切り開き、いつかは自分らしさ、個性を発揮し、成功する人になってほしいと期待しています。それが私の願いです。
6.環境が人を育てる~だからこそ、この場所で成長してほしい~
私が仕事を選ぶ理由は単純なものです。「人を助けたい」その一心です。
そのために何ができるか。そして、ここで働く皆さんも同じ気持ちを持っているはず。
だからこそ、自分の力を発揮できる環境を大事にしてほしい。仕事に誇りを持ち、患者様に貢献できる施術者になるために、一歩ずつ進んでください。
私は院長として、責任者として、皆さんの働きやすい環境づくりに努めます。
頑張る人が報われる、感謝される、高い評価や報酬を受けられる、そんな治療院、会社作りを目指しています。
皆さんは、自分の限界を知り、その範囲の中で最大限の力を発揮する、頑張れる人になって欲しい。
皆さんの治療家としての成長を期待しています。
働く環境面に関しては私に任せてください。全力で皆さんをサポートし、安全と安心を提供します。
7.追い込まれたときに本性が出る ~だからこそ、本物を目指せ~
私自身、20代の頃、陸上自衛官だった過去があります。
その中、陸曹教育課程の訓練で極限状態に置かれたとき、人間の本性が見えることを経験しました。
ある訓練(山道を登りながらのハイポート)の時、あまりに苦しくて、脱落しそうな仲間がいたのに、それを助けずに、何とか自分だけでも脱落しないようにしました。
しかし、そんな時でも、ある隊員は他の隊員も助けようとしました。
彼は同じ状況の中で、どんなに自分が苦しくとも、仲間を見捨てず、銃を2人分背負って、一緒に最後まで走り抜きました。
その時、彼こそが「本物の自衛官」「奉仕の精神の持ち主」と思いました。
当時、私は自分で優秀だと思っていましたが、「本物ではない」「結局は自分本位な人間」と気づかされました。
この経験での教訓は、どんな仕事においても同じことが言える、と考えています。
訪問マッサージは、患者様との信頼関係が何よりも重要です。
厳しい状況の中でも、人のために努力し続けることができるか。それが、本物の施術者であるかどうかを決めるのです。
8.自衛隊時代のエピソード ~不便を乗り越え、適応する力と環境改善~
20数年前当時自衛隊が使用していた3.5トンのトラックは古く、マニュアル車でギアがなかなか入らないため、操作が非常に難しいものでした。
また荷台にはエアコンもありませんでしたから、真夏の訓練では車内はまるで灼熱地獄でした。
旧式ジープもエアコン無しです。汗だくになりながら運転していました。
後に導入された新型ジープのパジェロには、エアコンが搭載されており、オートマ車両でした。運転性能も劇的に改善されました。
環境の改善が働きやすさに直結すると実感したこの経験は、訪問マッサージにおいても役立っています。
患者様や施術師が最適な環境で過ごせるよう、改善を続けることが重要なのです。
当院では、訪問の取り決めとして、
真夏はバイクでの訪問を取りやめ、車両のみでの訪問にすること、
1日の訪問件数を6件に制限すること、
移動距離を極力少なくすること、スタッフの自宅に近い訪問先を心掛ける、
など訪問の環境に配慮しています。
(取材編集2025.5.28)西垣
以上となります。実技研修でしたが、その中で色々なことを話されていました。
精神論的なことが多かった印象ですが、
院長としては知識や技能よりも、治療家としての認識、患者様への情熱の方が大切とのことでした。
これからもできる限り、研修には同行させてもらいますので、また内容を紹介させて頂きますね。
引き続き、よろしくお願い致します。
町田市・多摩市・稲城市・多摩エリアの訪問マッサージ
ダヴィンチの手 院長補佐・広報担当 西垣 賢一郎
前段は講義や話し合いで、その後に実技練習という流れです。
緊張が高く、後方に反ろうとする患者様に対しての座位保持、座り直しの練習です。
起き上がりの仕方(全介助)。背臥位でのやり方を説明。