圧迫骨折をされた患者様の訪問(その2)-院内ブログ

圧迫骨折をされた患者様の訪問(その2)


お世話になっております。

ダヴィンチ治療院、代表の神田です。

前回は、圧迫骨折をされた方の概要についてお話しました。

今回は、実際の施術について述べさせて頂きます。

圧迫骨折の方への施術についてですが、事前に骨折の時期(どれだけ経っているか)、痛みの程度(どれだけ残存しているか)、医師からの対応(硬式コルセットか軟式コルセットか、投薬のみか、動作制限についての指示はあるか、次回以降の通院予定についての確認)などの情報収集を行います。

その上で、その方の状態に合わせ、身体に負担が過度にかからないように施術を行います。

まず、急性期で痛みが強く残っている、体動が難しい方に対しては、直接的な患部への接触を避け、

二次性の痛み(骨折に起因して他にも痛みが生じる)を防止するためのマッサージや関節運動を行います。

トイレなどの移動が最低限は必要なため、体の捻転を抑えた形での寝返りや起き上がり、環境的な設定や工夫なども指導致します。

強い痛みなどで動けず、臥床状態の方でも、長くても1ヵ月ほどで痛みは落ち着いてきます。

痛みが慢性的に生じる、ずっと残存していることの多くが二次性の痛みです。

元々、骨自体には知覚神経が無く、周囲の骨膜(神経が豊富)が刺激されて痛い訳ですから、骨の痛みはそれほど長くは持続しません。

骨の周囲の筋群、不良姿勢による一定部位への過負荷などが持続する痛みの原因となります。

そのため、二次性の痛みを抑えるための治療を重視して行います。

次に、痛みが既に軽減している、動作が前に比べて悪くなってしまった、その他、何からの問題が生じている方に対しては、

もう少し積極的で多くの要素を入れた治療を行っていきます。

具体的には、骨折部位への負荷をかけないようにしながら、他の部位の運動要素を高めます。

上肢帯(肩甲骨・鎖骨)、胸郭、骨盤、股関節などの動きを促し、姿勢づくりにも努めます。

姿勢保持で背筋優位の形から腹筋の意識化、広背筋を抑制して、前鋸筋を引き出す、といった形で前後のバランスを整えます。

その上で、骨盤と股関節の協調性(連動性)について訓練し、座位の安定、立ち上がり、立位の安定へと繋げていきます。

これらに関わる筋マッサージや関節運動、姿勢修正と運動パターンの改善指導を40分(当院の施術時間)で行います。

今までの経験上、痛みの緩和はもちろんとして、再転倒の防止、歩行の安定にも繋げることができ、その後の大きな問題を取り除くことができると思います。

脊柱の可動性が低い、円背などの変形が既に高度で戻らない方などは、他の腰椎に圧迫骨折を再度起こす可能性が高いので、動作パターンの改善が特に重要となってきます。

そうしたことを在宅や高齢者介護施設で行うことで、医療サービスとしての訪問マッサージの役割を果たすことができるのだと思います。

訪問リハビリでは主に介護保険を用いるため、介護付有料老人ホームなどへのリハビリ訪問は現実的に難しくなっています(全て自費対応となるため)。

医療保険を用いた、我々訪問マッサージ事業者が、その埋め合わせをする、施設でのリハビリ面を補足することが、非常に期待されているところです。

既に膨大となっている医療費を削減するためにも、これが必要不可欠です。

当院としても、整形疾患、脳血管障害、神経難病など、多くの患者様のニーズにお応えし、結果を残していきたいと思います。

町田市の訪問マッサージ『ダヴィンチ治療院』 

代表・理学療法士 神田 裕幸

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下部胸椎、腰椎部の過負荷を軽減させるため、上部胸椎の可動性が重要です。

加えて、上肢帯や胸郭、骨盤部の動きも大切となります。