訪問マッサージと訪問リハビリの融合を語る-院内ブログ

訪問マッサージと訪問リハビリの融合を語る


お世話になっております。

訪問マッサージ『ダヴィンチ治療院』代表の神田です。

コロナウィルスの脅威により、この3~6月は大変なことになりましたが、そんな最中にあって、当院は開設して9年目を迎えました。

この間、皆様からご愛顧頂けたこと、誠に感謝いたします。

さて、私事ですが、訪問マッサージを立ち上げる前は、町田市の訪問看護ステーションで訪問リハビリに携わっていました。

あんまマッサージ指圧師の学生時代は、午前中はマッサージ師の学校に通い、午後からは訪問リハビリでPTとして働くという生活を3年間続けました。

そのため、私は「訪問リハビリ」「訪問マッサージ」の両方に携わっております。

今日は、あんまマッサージ指圧師と理学療法士の特性について述べながら、『訪問リハビリ+マッサージ』が理想形という話をしたいと思います。

まず、マッサージ師の特徴について説明します。

資格取得のための学校教育では、3年を通して、マッサージ等の実技を練習します。そのことから、一言でいえば、マッサージのスペシャリストです。

基礎医学(解剖学・生理学)もさることながら、教育カリキュラムは、実技・治療手技が中心となっています。

ほとんどの養成学校では、自主練習会などもあるため、積極的に授業以外でも技術を磨くことができます。

治療に長ける実践派のセラピスト、それがあんまマッサージ指圧師です。

逆にマッサージ師の短所としては、施術は上手いが、治療にいたる過程(評価)が弱く、患者の見立てが苦手ということが挙げられます。

これについては、学校教育に評価学が含まれておらず、病院での実習(評価・臨床実習)なども無いことが大きく関係しています。

病院での臨床実習にて、数か月にわたって、実際の患者様をみる、という経験が無いため、深く掘り下げての問題把握が図りにくくなります。

施術自体は素晴らしいのに「ポイントがズレている、なぜそのやり方なのか。」と思うことが多々あります。

これに対して、

理学療法士は、リハビリ専門職であり、患者評価におけるプロだと言えます。

PTの養成校での教育カリキュラムは、3年以上を通して『評価』に力を入れています。

評価を行う土台として、基礎医学としては、解剖学、生理学に加えて運動学を重視しています。

運動学と評価学の勉強を行っていることで、患者の見立て、問題点の抽出、治療の目標設定については自然とベースが出来上がります。

臨床実習に加えて、検査測定実習、評価実習といった機会もあり、まさに評価力に突出した専門職だと言えます。

逆に弱点としては、治療手技についての教育が少なく、卒業後の治療レベルが低いという点が挙げられます。

私の場合も、卒業した後、最初に整形外科に就職しましたが、一番困ったのは、治療が下手なことでした。

そのため、数か月はスポーツマッサージやリハビリ手技のDVDを必死で見て、毎週セミナーに参加することでその穴を埋めました。

理学療法士のカリキュラムはマッサージ師よりも一般に難しく、基本的な能力(ポテンシャル)は高いため、コツを覚えれば、治療は早く上達すると思います。

簡単にマッサージ師とPTの特徴を述べましたが、お気づきのように、両方の長所が備われば、『評価+治療』をより高度に行うことができます。

実際に、今の私の強みは「マッサージとリハビリができて、苦手がない」「評価に基づいた治療を実践できること」です。

そして、これが当院の訪問マッサージが支持されている最大の理由だと思います。

それに付随して、開設からのこの8年で最も私が苦労したのは、「マッサージ師へ評価について教えること」でした。治療内容の指導は、実際、ほとんど行っていません。

評価ができるということは、解剖学・生理学・運動学の基礎知識を持ち、それを実像として結びつけられる能力が必要となります。この過程が一人でできるようになるまで、非常に時間を要しました。

当院の訪問マッサージで言えば、最低限の評価ができるまでに半年以上、一人前になるまで概ね3年を要しています。このぐらい、毎日真剣に実践を重ねないと、評価力は付きません。

理学療法士であれば、学校卒業後に評価力をさらに磨きながら、治療手技を手にすることで総合力がつき、

あんまマッサージ指圧師であれば、学校卒業後に治療を行いながら、評価について学ぶ機会をしっかりと設けることで総合力がつく、

といったところでしょうか。

話の大筋は終わりですが、最も重要なことを、これからお話したいと思います。

あくまで私見ですが、

アフターコロナの医療従事者として、今後求められるのは、この両方を備えた治療家、セラピスト(療法士)であると思います。

私は、訪問リハビリに従事していたこともあり、PTやOTに対して、今までどこか遠慮していた部分がありました。

具体的には、当方の訪問マッサージの依頼があった際に、訪問リハビリが既に入っていれば、運動面に対しては積極的な指導は行いませんでした。

介護付き有料老人ホームなどで当方だけが介入する場合のみ、マッサージに加えてリハビリもより実践するようにしていました。

(※施設からは、多くの場合、リハビリをお願いしますと依頼されるのが実情です)

お互いが専門性を活かして、リハビリはリハビリ、マッサージはマッサージ、として患者様に接すればいい、あとはプロ同士、任せ合えばいい。

それが相互協力・連携であり、それで事足りるものと思っていました。

しかし、今後の生活、アフターコロナにおいては、そうした考えでは足りず、問題も解決しない気がしています。

コロナと共存する、他のウィルスなど、様々な問題がさらに時代の変化によって増えていく可能性がある、という過程において、

我々に強く求められるのは、個人としての総合力であり、各々が単独で解決できる力であると思います。

チーム医療・チームアプローチ・関係サービスの連携、これはもちろん重要ですが、一方で接触する人や機会を増やすという側面も持ちます。

一人に対して多数の人が関わることは、サービスとしては厚みが増し、非常に望ましいことですが、感染という面から考えれば、感染リスクが増えることを意味します。

ここは、一騎当千の考えで、「この患者様は、私が責任を持って治療する、マッサージもリハビリも行います、あの患者様は、〇〇先生にお願いします。」と任せ合える形が望ましいのではないかと考えています。

これにより、医療保険や介護保険料の節約にもなり、結果として国の借金返済にも繋がります。

とても大きなテーマとなりますが、そうした考えのもと、少しずつでも訪問マッサージとしてやれる範囲を拡大していくこと、マッサージ師とリハビリ職との垣根を取り払うこと、包括的なアプローチに努めること、ちょっとずつでも、これから進めていけたらと思います。

私の今やるべきこととしては、院内でリハビリ勉強会や研修を定期的に行い、訪問リハビリ+マッサージとして、まずはこの町田で確立すること、

それから、地域の訪問看護ステーション等と関係性を築き、PTやOTと一緒に治療の練習を行い、マッサージもできるリハビリ職を増やしていくことだと考えています。

何でもできる治療家が5万、10万人と増えれば、この先の日本の医療において、本当に力強く頼もしいことだと思います。

まさに、これからが、治療家としての本領を世に示す時(時代の転換期)かもしれませんね。

ダヴィンチ治療院としては、オールラウンダーのマッサージ師を今後も増やし、訪問マッサージの可能性を追求しながら頑張って参ります。

長文にお付き合いいただき、ありがとうございました。本日の話は、以上となります。

また、良かったらブログをご覧になってください。

町田市の訪問マッサージ『ダヴィンチ治療院』
院長 理学療法士・あんまマッサージ指圧師 神田 裕幸

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治療家としての強い信念をもって、多くの患者様のために、この手で頑張り続けます(左手にはますかけ線もありますし、これは天命ですね)。