訪問マッサージの基本(服装等)について
お世話になっております。ダヴィンチ治療院、院長の神田です。
このところ東京では新型コロナ感染者が徐々に増え始めており、毎日300人を超えていますね。
今週末予定の緊急事態解除に向けて、不安を覚える状況となっています。
ただ、去年の今頃と比べると、医療消耗品も豊富にあり、ワクチン接種も始まっているため、実際の状況は異なるのだと思います。
また、1年以上が経ち、我々の知識や経験も豊富になっております。どの程度のことで感染リスクが高まるのか、概ね把握できるようになりました。
抗原検査キットやPCR検査も安価でかつ自宅で行えるようになり、こうしたことも大きな進展であると考えます。
本日のブログですが、
訪問マッサージの原点に立ち戻り、衛生面も踏まえて服装や消耗品について書こうかと考えております。
私自身は、ダヴィンチ治療院を立ち上げる前は、訪問看護ステーションにいました。
そこでPTとして訪問リハビリを行っていたため、今とほとんどやることは変わっておりません。
訪問に必要な物もマッサージとリハビリは、ほぼ同じであると言えます。
一つずつ説明をして、皆様に訪問のことが少しでもご理解頂けたらと思います。
では、最初に服装についてお話しします。
当院では、指定のポロシャツを着用することになっております。インナーやズボンは動きやすいものとし、ジーパン等は不可としています。
それに、サージカルマスクをし、フェイスシールド(眼鏡型)を着用して訪問しています。
元々、当院では1年を通して、暑い夏でもサージカルマスクを着用していましたが、フェイスシールドが更に追加となっています。
最初は動きづらかったですが、さすがに慣れましたね。ただ、聴診器を耳に付ける際にフェイスールドが邪魔なのは相変わらずです。
ポロシャツについては、第1ボタンは外して訪問して良いことになっていますが、私は上まで閉めています。
やはり、その方が清潔感もあり、見栄えが良いと感じています。
インナーはアンダーアーマーやアディダスなどのスポーツブランドで買ったものを使っています。
上から羽織る上着(ジャージ)はミズノ製のものが多いです。自衛官時代から、ジャージはミズノを愛用しています。
ズボンは、ノースフェイスやモンベルなどで登山用の物をよく使っています。ストレッチが利き、リハビリも行いやすいです。
次に消耗品ですね。
まず何と言ってもサージカルマスクですが、私はいくつか使い分けています。
一般のお宅への訪問時には、日本のメーカー品のサージカルマスク(3層)を着用しています。
高齢者施設への訪問、やや密接度が高いと想定される訪問時には、4層のサージカルマスクやKN95マスクを使用しています。
感染対策上では、N95マスクが最も良いと言われておりますが、高価で日常的な使用が難しいため、KN95マスクを代用しています。
このKN95マスクは中国の基準であり、非医療用防護マスクとなりますが、5層構造となっており、口~鼻全体を覆い、使用者の呼吸が楽なところが特徴です。
ただし、日本医師会の発表では、N95マスクと比較して空気抵抗値が大幅に低く、フィット率も低いため推奨されておりません。
呼吸が楽=空気抵抗値が低い ということですから、どの程度まで安全ラインかという点が重要と考えております。
比較数値を見ると、おおよそN95マスクの90%程度なので、サージカルマスクで隙間が生じての使用に比べれば、こちらの方が医療的な有用性は高いと判断しています。
最近、サージカルマスクの上にナイロン製のマスクを重ねるといった付け方が報道されていましたが、あまり効果は変わらないとのことで、
我々のサービスは、マッサージやリハビリを患者様に提供しなければなりませんので、呼吸困難になっても困ります。
現状、このKN95マスクや4層マスクがトータル的なバランスが良いと思います。
ちなみに、KN95マスクには生産標準というのがあり、GB2626-2006というものがほとんどです。
最新の標準では、GB2626-2019というものがありますが、こちらのマスクも購入してみましたが、耳の紐が切れるなど粗末品がありました。
そのため、標準などに縛られずに、実際に購入して質感や厚みなどを確認して選ぶことが重要と思います。
私の場合、今までに口コミで良いと思われるマスクを10種類以上購入し、その結果から最も良かった物を使っております。
続いて、消毒液と消毒綿ですね。
消毒液はエタノール系でアルコール70~80%(最も消毒作用が強いとされる)を選んでいます。それにA2Careという全日空の機内に使っている除菌消臭スプレーを併用しています。
マッサージでは当然として手を使いますから、手指が荒れることがあってはいけません。
エタノール系の消毒液で頻回に手を消毒するのは、手をカサカサにしていまいますので、こうしたエタノール系以外も併用しながら手指を守っています。
消毒綿は、1回ごと使いきりのコールメンを使っています。これでパルスオキシメーターや聴診器などの消毒を行います。
私の使っているものは、エタノールおよびクロルヘキシジンが消毒成分となっています。
塩化ベンザルコニウム系(マキロンと同じ成分)の物もありますが、エタノールに比べて殺菌力が落ちるため、私はエタノールが入っているものを選んでいます。
さて、タオルと手ぬぐいについてですが、両方ともに使い捨てのものを使用しています。
具体的には、タオルはペーパータオルを、手ぬぐいは代用品としてピロシート(不織布)を使っています。
ピロシートに関しては、本来なら枕カバーとしての用途ですが、応用法として使っています。
大きさが30cm×30cm程度のものが多いのですが、手ぬぐい替わりなので、30cm×50cmの大きい物を使用するようにしています。
ちなみに、私はベースがPTということもあり、手ぬぐいは使わない派なので、在庫は持っていますが、一度も使用したことはありません。
足部のアプローチ(水虫などがある方)で、使い捨て手袋を用いますが、ピロシートでも良いかなとは考えたことがあります。
その他、聴診器はリットマン、血圧計は5000円以下で使い勝手が良い物を選んでいます。
電子血圧計は誤差が大きいため、基本的に使いません。プロっぽくないですし。
ただし、関節拘縮などで極端に肘を曲げた形の方や力が入ってしまう方には、電子血圧計を用い、手首で計ることが有用と思います。
パルスオキシメーターは、Ubi-Xの定価7万円ぐらいのものを使っています。
実際の購入費は4万円ちょっとでしたが、今はコロナの関係で購入者が多く、品切りもしくは定価での販売がほとんどですね。
中国製の物は3千円ぐらいで手に入りますが、信頼性がどうなのか?医療サービスとして使うわけにはいきません。
指にはめるプローブだけで2万円ぐらいするので、経済的にはかなりキツイです。
今度の交換時には、全部で2万円以下のものに変更するかもしれません。
だいたい、主要なものについては説明したと思いますが、私の中で絶対に忘れてはいけないものが訪問用のカバンです。
これは、何でもいいようで実は非常に選ぶのが難しく、差が出やすいと考えています。
私はここ数回、TUMIのバックを選んでいます。
こちらのメーカーは、基本的に高価で5万円ぐらいはしますが、長持ちで作りも頑丈、雨にも強いです。
持ち手も掴みやすく、ポケットも多くて色々と区分して入れられます。
訪問マッサージでは、書類関係と医療備品・消耗品の両方を持ち運びする必要があり、これらをいかに上手く分けて入れておけるかが重要です。
TUMIのかばんは、それに適した構造の物が数多くあり、使ってみると高くても納得といった感があります。
本日は、ここまでとさせて頂きます。
今日は簡単でしたが、訪問時の服装や消耗品、備品などを紹介しました。
当たり前のことが多かったですが、それを当然とするのがプロの条件であり、色々な物が普及する中で、改善の余地も少なからず出てくるものであります。
今後も、いいものがあれば、積極的に取り入れていき、患者様にとって良い医療サービスが提供できたらと考えております。
引き続き、よろしくお願い致します。
町田市の訪問マッサージ ダヴィンチ治療院
理学療法士・あんまマッサージ指圧師 神田 裕幸