訪問リハビリ+マッサージという考え方-院内ブログ

訪問リハビリ+マッサージという考え方


お世話になっております。ダヴィンチ治療院、院長の神田です。

本日は、当院の訪問マッサージの特徴についてお話し致します。

その前に、まずは私の前職であった訪問リハビリについてもお話しさせて頂けたらと思います。

私は、元々は20歳で陸上自衛隊に入隊し、7年間自衛官をしていました。

その後、20代後半で退職し、理学療法士の養成校に入学しました。

そのため、医療職については、30歳過ぎてからのスタートとなります。

整形外科クリニックでのリハビリ勤務を経て、

その後、訪問看護ステーションに入職して、介護保険下での訪問リハビリの担い手となりました。

そこからは、現在に至るまで13年間、形は変われど、在宅(訪問)にずっと関わっております。

訪問リハビリに従事しての数年間は、担当PTとして

「ご利用者様にもっと良くなってもらいたい」、という気持ちから毎週のように研修会やセミナーに参加し、色々な技術や知識を習いましたが、

「これだ。」といったものがありませんでした。どうしても、どの内容も理学療法という中で固執化され、制限がかかっている気がしました。

その中で興味を持ったのが、マッサージ技術、より具体的に言うと、「指圧」でした。

当時、自律神経性の症状を併発しているご利用者様が多く、思うように症状の改善が図れず、訓練面にも影響が出ていました。

「リハビリや訓練の前に、この状態を良くしないとどうしようもない、何とかならないか?」

試行錯誤し、色々考える中でたどり着いたのが、「全身指圧=浪越指圧」という治療手技でした。

実は、理学療法士の教育カリキュラムでは、マッサージ関連は一切習わず、やってもいけないものとなっています。

あん摩・マッサージ・指圧については、業務独占の医療行為となっており、

法律的(あまし法)には、あん摩マッサージ指圧師の国家資格者もしくは医師のほか行ってはならないことが規定されています。

そこで、あん摩マッサージ指圧師も取得して、堂々とマッサージが臨床で行えるようになろうと考えました。

それから、午前中はあん摩マッサージ指圧師の学校へ通い、

午後からPTとして訪問リハビリを行う、という生活を3年間続けました。

勉強は、患者様に関わることなので、手は決して抜きたくありません。

いつも行き帰りの電車の中で参考書を読み、

朝は、眠いのを我慢して、5時38分の鶴川駅発の小田急線に乗って、毎日一番に登校しました。

そして、36歳であん摩マッサージ指圧師の資格者となり、現在のダヴィンチ治療院を立ち上げました。

訪問看護ステーションを辞めて、ダヴィンチ治療院を設立したのは、その方が自分の思う治療を思う存分できるからです。

訪問リハビリに従事していた頃は、訪問時間よりも先に着いても、「時間を守らなければならない」と待機しなければならず、

「早く入って多くリハビリをすると、君の後任者が正規の時間で訪問してもクレームになる」と注意されました。

確かにその通りであり、正論、管理上は間違っていないのですが、

そもそも、「医療従事者としても、そうした考え方が当てはまるのか?」「人としての優しさこそが最優先、まずは大切ではないか?」

とずっと思っておりました。

さらに、訪問看護では祝日が全てお休みとなるため、ご利用者様に迷惑をかけていたことも嫌でした。

いつも、ご利用者様の家族、介護者様からは、「私達には年末年始も休みも関係ない。」と言われており、

おっしゃる通りだな。と考えておりました。

そんなこともあり、それなら、「自分がルールを作ればよい、自分で立ち上げる他ない。」と思ったわけです。

さて、本題に戻りますが、

私が、10年以上在宅に関わる中で思ったことは、

「患者様それぞれのニーズがあり、望まれるサービス内容が異なるということ」、

「何でもできないと在宅では通用しない」

「オールラウンダーこそが在宅で求められる人材である」ということです。

ただでさえ、訪問リハビリや訪問マッサージでは、患者様の病態は幅広く、

医師のように専門分野には分かれていません。

内科系、整形外科系、泌尿器系、神経内科系、脳神経外科系、内分泌系、精神科系、あらゆるものが在宅では含まれ、

また併発している患者様がほとんどです。

正しく病態を理解し、適切な施術を行うには、医療知識は当然のこととして、

一つでも手持ちの武器(手技)が多い方がいいのです。

これに偏りがあると、どうしても効果が出る場合と出ない場合、ニーズに答えられないケースが必ず出てきます。

私が今、ダヴィンチ治療院のサービスとして皆様に提供していることは、期待に応えるための包括的な治療です。

まずは、マッサージや中国あん摩、指圧といった、あん摩マッサージ指圧師の中での手技の使い分けを図り、

リハビリ関連として、運動学をベースにした考え方、基本起居動作や歩行の訓練の方法、PNFなどの概念を取り入れています。

加えて、オステオパシーやカイロプラクティックといったアメリカ医術も加えて、

患者様にとって最善と思われる治療プログラムをご提案・模索しています。

こうした幅広い治療を行うには、どうしても時間がかかるため、

効率性(1日で沢山訪問する)を捨てて、お一人40分という施術時間を設定しています。

もちろん、血圧やサチュレーションなどのバイタル計測も行いますから、それでも時間ギリギリです。

ここで結論となりますが、やはりマッサージとリハビリ、両方できた方が良い結果に繋がるのは間違いないと思います。

当院では、おおよその場合、

前半20~30分は、マッサージ系手技を行い、直接的に患者様に変化を与え、動きやすい体にする、運動を行う際に効果を高めやすくする、

後半10~20分は、リハビリ系手技や訓練により、実際に姿勢や動作の改善を図る、

もし、マッサージによる痛みの除去などが依頼の主体である方には、運動療法の併用から更に痛みを取り払いやすくする、

といった形で、相互に作用し、相乗効果が得られるように工夫しています。

こうした包括的なアプローチ、治療を提供しても、

中々良くならない、状態においては現状維持に何とか留まるケースが多いのが実情です。

つまりは、患者様の状態を改善したいのならば、

我々が実施していることが最低の水準であり、それ以上のことを常に追い求める必要がある、ということになります。

最近の傾向として、依頼内容の高度化、難易度が上がっている印象を受けます。

具体的には、単に「凝りがひどいので、マッサージをお願いします。」

といった依頼はほとんど無く、

「リハビリ+マッサージでお願いします。」

「痛みの軽減と歩行の向上をお願いします。」といった複合的な依頼が多数を占めています。

それだけ、色々な病態を抱える人が増えているのか、

コロナ下で悪化してしまった方が増えているのか、

それとも当院の信頼性が上がり、そうした内容も依頼して下さるようになったのか、

理由は分かりませんが、

とにかく、お一人お一人、一生懸命に当たらないと、結果を出すことは難しいと言えます。

私自身、訪問に出ているため、他のスタッフの教育にまで気が回せない状況ですが、皆、自分自身で努力を重ねながら、必死にニーズに答えようと頑張っています。

そうした前向きな姿勢については、本当に感謝している日々です。

今後も、訪問リハビリと訪問マッサージの良い点を吸収しながら、臨床現場において、それが存分に発揮できるよう努めて参ります。

引き続き、ご愛顧のほど、宜しくお願い申し上げます。

町田市の訪問マッサージ ダヴィンチ治療院

理学療法士・あん摩マッサージ指圧師 神田 裕幸

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これからも、包括的な在宅サービス、訪問リハビリマッサージに努めます。

皆様、宜しくお願い致します。