ケアマネジャーの役割、居宅介護支援の立ち上げを考える-院内ブログ

ケアマネジャーの役割、居宅介護支援の立ち上げを考える


お世話になります。

ダヴィンチ治療院 院長の神田です。

122日の木曜日に「令和3年度 介護支援専門員(ケアマネジャー) 実務研修受講試験」の結果が出ました。

おかげさまで、私の元には同日、「合格通知」が届きました。

成績(試験結果)も載っており、予想通り54点(介護支援21点、保険医療福祉サービス33点)でした。

今年は、昨年に比べて合格率が高く、東京都は27.7%でした。

合格点数は39点以上(介護支援14点、保険医療福祉サービス25点)でした。

試験に向けて、最後の23か月は相当勉強したので、この結果に大変満足しておりますが、

「少々、やり過ぎたかなぁ。」とも感じております。

ただ、このケアマネ試験は、分野ごと、その年ごとに合格点数が異なるため、

ここまで勉強すれば、試験に100%受かるという確信を得ることが難しいです。

だから、ある程度はやり込んでおかないと、安全圏にはたどり着けません。

そういう意味では、今回の勉強内容とその結果については、ベストだったと考えます。

さて、本題に入りますが、

以前のブログでもお伝えしましたことですが、

そもそもなぜ、このケアマネ試験に私が今年挑戦したかと言いますと、

ある知り合いのサービス提供責任者から、「医療出身のケアマネジャーが少なく、現場では困っていることもある。」と聞いたのがキッカケです。

ダヴィンチ治療院では、医療保険を用いた訪問マッサージを行っており、

現状、サ責などとは直接的な因果関係はありませんが、

私自身、元々は理学療法士として訪問看護ステーションに所属していたので、

それを聞いて「もっと、介護保険のことも知らないといけないなぁ。」と考えたのです。

そのあと、改めてケアマネのこと、医療・介護保険のことを調べていくと、

『地域包括ケアシステム』のことが厚生労働省のホームページで紹介されており、

この取り組み・システムが、今後の介護や医療において重要な役割を担うと知りました。

地域包括ケアシステムとは、

『高齢者が住み慣れた地域で自分らしい暮らしを人生の最後まで続けられるようにする』

ことを実現するため、

『医療・介護・予防・生活支援・住まいが一体的に供給されるようにする取り組みである』、とありました。

2025年(令和7年)を目途として、とも書いてありましたが、それまでにあと34年しかなく、

「それをやろうと思ったら、めちゃくちゃ大変だぞ。」と直感的に思いました。

ただ、やろうとしていることは理解できますし、その考えにも共感しました。

逆にそれがなされ、しっかり機能しないと、今後の高齢社会を乗り切るのは難しい、とも考えました。

厚労省のページで、実際に行われている全国の自治体の取り組み例なども見ましたが、

そうした実例や取り組みを見た時、私の脳裏には、

地域包括ケアシステムのキーマンが、「ケアマネジャー」であると即座に思いました。

一般の自立している高齢者については、

各種ボランティアや地域包括センターが機能することで問題ないだろうと思いますが、

要支援・要介護者においては、

ケアマネジャーの力量が、その方の予後(その後の人生)に大きく左右すると考えられます。

厚生労働省のモデル(図示したもの)や各自治体のモデルにおいても、地域包括ケアシステムでは、

ケアマネジャーが中心には置かれておらず、脇役(補助サポート)のような配置でした。

地域包括ケアシステム(画像).jpg

ご本人(高齢者)を中心として、周りに医療・介護サービスが取り囲む形ですが、

それだと、誰がそれを取り仕切るのか、誰が責任者なのか、役割や責任の範囲が不明瞭であり、

ご本人が自ら判断・選択するにも、そうした知識がなく、もちろん専門家ではありません。

これでは上手く機能しない、サービス介入の仕方も必然的にバランスが悪くなる、と思いました。

私のイメージ理想では、

ご本人を中心とし、そのすぐ脇にかかりつけ医(医療)とケアマネジャー(介護・予防・生活支援・住まい)がおり、

その周囲に関係サービス(専門職)が位置して、協力関係を築く構図があります。

医師とケアマネジャー、双方の働きでその方の包括的なプロデュース・コーディネートを図る、

というのが、安全かつ最もバランスよく機能するサービス形態ではないかと考えました。

ただし、それを実現して機能させるには、前述したとおりにケアマネジャーの力量が必要であり、

当然、かかりつけ医(医師)とも対等に話ができる知識や見識も必要となります。

仮に、在宅医療に長く携わった医療従事者(看護師やリハ職など)がケアマネジャーだった場合、

それが効率的に行いやすいと考えたのです。

現在は、介護職出身のケアマネジャーが全体のうち、多数を占めていますが、

医療出身者が一定の割合(例えば、全体の3分の1以上)になれば、事業所ごとに研修なども行いやすく、

医療の知識や技能にも精通したケアマネジャーを世の中にたくさん増やすことができます。

ケアマネジャーは、ご利用者への定期訪問やケアプラン作成や見直しなど、

毎日が多忙であり、個人で勉強する、勉強会やセミナーに参加するにも限界があります。

こうした職場環境を整えることができれば、ケアマネジャー全体への医療知識を深められ、個人としてのメリットも多いと思います。

一度流れができてくれば、皆が知恵を出し合い、情報も共有し合える環境を敷きやすいのではないかと思います。

そんなことをイメージ(連想)していたら、

自分がまずはケアマネジャーになって取り組む、自分が実践して試すのがが手っ取り早い、という発想になり、

今年のケアマネジャー試験を受けることに決めました。

説明が長過ぎましたが、

以上が、今回の試験挑戦の理由です。

無事、試験にも受かりましたので、来年早々に研修へ参加し、

少しでも早く、介護支援専門員の登録を受けたいと考えております。

すでに、合格通知が来た翌日に研修の受講申請を出しましたので、

上手く希望が通れば、1月中旬から前期の研修カリキュラムがスタートされます。

そうしたわけで、来年はダヴィンチセラピストとして、

新しく町田市の北エリアに居宅介護支援事業所の立ち上げも考えております。

それには、専任専従の主任介護支援専門員の配置が必要となります。

我々の考えや理念に賛同して頂ける主任介護支援専門員の確保をすべく、

求人活動を積極的に行いながら、自身も研修を頑張っていきたいと思います。

引き続き、どうぞ、よろしくお願いいたします。

来年、また経過のご報告ができましたら、ブログにてご紹介させて頂きます。

町田市の訪問マッサージ ダヴィンチ治療院

理学療法士・あんまマッサージ指圧師 神田 裕幸