マスク着用について(院長持論)
お世話になっています。
ダヴィンチ治療院、院長の神田です。
昨日、政府から出された「マスク着用の指針」により、3月13日から室内外問わず、個人判断となりました。
「今日から何か変わるのか?」と昨日の散歩時に思いましたが、今までと同じでしたね。
周りを見ている(様子見)という面もあるでしょうが、少なくとも夏場までは、現状維持のような気がします。
私も犬の散歩以外では、マスクを着用して外出しますし、車の中やカバンに個包装のマスクが常備されています。
マスク内では細菌などが増殖し、便座よりも汚いなどの科学的データもあり、それはとうの昔から承知していますが、
相手に不快な気分を与えたくない、他人に気を遣う国民性からマスクを着用している、日本人らしさの表れ、
ということもあると思います。
コロナのワクチンにしても、自分が感染したくない、ではなく、家族や他人に迷惑をかけたくない、安心させたい、
という気持ちから多くの方が接種されたのだと思います。
私の両親もそうでしたし、孫に会いたいから、息子たちに迷惑をかけたくないから、と言っていました。
そうした考えを持つ民族であり、そうした我々が、急に変わる、変えるというのはいささか無茶がある、と思います。
本当にマスクを外すようにという方向で、国が推進させるならば、
公務員全員、交通機関や飲食店なども含めた、社会全体で一斉にやらないと、変わらないでしょうね。
私たち、ダヴィンチ治療院では、コロナ以前(3年以上前)から職務中はマスク着用を義務付けしていました。
これは、訪問マッサージとして、医療サービスとしては必要なことであり、
かつ、自分で動けない、歩けない方を対象とした高齢者医療に携わる者として、当然の対応となります。
10年以上前から、ずっと職務中はマスクを付けていたので、マスクへの不快感、違和感は元々ありませんでした。
そうしたこともあり、今回のマスク指針についても、特に何も感じなかったというのが、本音です。
それよりも、客観的に考えて、感染リスクがどの程度あるのか?
マスク着用のメリットとデメリットを比較する、という視点が重要だと思います。
それにより、着用するべきなのか、しない方がいいのか、判断すればいいだけです。
加えて言えば、マスクにも色々な種類や用途があり、場面に合わせた使い分けが必要です。
マスクの特性、使い分けの仕方を知らないと、大概、意味をなさないということです。
例えば、多くの方が着用している不織布マスク(3層式)は、
基本的に「相手に飛沫を飛ばさない」という効果であり、自分ではなく相手に対してに用いられます。
極端に言えば、相手に感染させないためのものです。
ですから、このマスク自体には、感染防護の力は弱いということになります。
こちらがマスクを着用していても、相手がマスクをしていなければ飛沫は吸い込んでしまう、
相手からの感染は防げない、ということになります。
双方がマスクを着用していて、初めて飛沫がお互いに抑えられ、感染予防効果が得られるということです。
もし、相手に関わらず、感染防止を図りたいならば、ウィルスや菌をシャットアウトできるマスクが必要です。
医療用のサージカルマスクは、不織布マスクとほぼ同一の形と規格ですが、
中には生地が厚く防護性の高いもの、4層・5層となっているもの、口部を覆う形が特別なもの、などもあります。
それであれば、感染防護機能もある程度は得られると考えられますが、
エアロゾル感染にも対応した高レベルのものとなると、不織布マスクでは厳しいかもしれません。
そのニーズに応えられるのが、N95やKN95などの工業用マスクです。
元々は、粉塵などを吸い込まないようにと開発された工業用マスクですが、
コロナ以降、医療用へと転用され、コロナ病棟などの医療機関でも使われています。
これは、空気感染にも一定の効果を持つ、いわば、正真正銘の感染防護向けのマスクとなります。
当院も、昨年からずっとこのマスクを着用して訪問マッサージに入っていました。
ただ、感染防護の効果が高い分、マスクの密着度も強く、リハビリやマッサージ中の苦しさはかなりあります。
特に夏場は非常に息苦しく、スタッフの中には耐えられないと申し出てきたこともありました。
更に値段も高く、通常のサージカルマスクの10~20倍の値段となっています。
安い所を探して購入しても、概ねこのような値段です。
命はお金では買えない、ある程度の出費は致し方ないとの考えから、
当院としては、N95マスク着用義務とし、高齢者施設内では、更にフェイスシールドも追加して感染防護を図っています。
高齢者(患者様)の命を守るという観点では、今までこうした対応を取ってきたことは非常に意義があったと考えています。
ただ、5月8日からは、感染症法の分類において、2類相当から5類に引き下げられることが決まっており、
それをもって、当院での訪問マッサージでのN95マスクの着用義務を終了し、通常のマスクへ移行したいと思います。
今年の2月後半ごろから、ようやくコロナの感染報告が収まり、施設の閉鎖なども見られなくなりました。
急激に感染状況が変わった印象があります。
感染力が強まる=弱毒化する、ということですから、
3年を経て、ようやくコロナの脅威からは解放されたのではないか、風邪と同程度になったと考えられます。
この約1年、訪問するマッサージ師の先生方には、N95マスク着用など苦労を強いましたが、
それをこなした(全うした)ということにより、ようやく次のステップへ行けそうな気がしています。
ぜひ、普段の外出などをする際にはマスクを外し、気分転換を図ってもらいたいと思います。
普段の仕事において、我々はこれからもずっと、コロナに関わらず、職務中はマスクを着用していかなければなりません。
そのため、メリハリを持ち、リフレッシュを挟みながら、日々の訪問に臨んで頂きたいと考えています。
当院を支持して頂いている皆様におきましても、引き続き、ご愛顧のほどよろしくお願いいたします。
これからも、スタッフ一同、精一杯の訪問に努めさせて頂きます。
町田市・多摩市・稲城市・多摩地区エリア
訪問マッサージ ダヴィンチ治療院
理学療法士・あん摩マッサージ指圧師 神田 裕幸