電動ベットの種類と使い方について
お世話になっております。
町田市や相模原市で訪問マッサージに携わっております、
「ダヴィンチの手」訪問スタッフ(あん摩マッサージ指圧師)の岩井将人と申します。
在宅療養や介護の現場において、電動ベッドは生活の質を大きく左右する重要な福祉用具です。
しかし、「何となく使っている」「背中を上げるだけのもの」といった認識で使用されているケースも少なくありません。
今回は、一般のご家族様向けに電動ベッドの種類と正しい使い方について、専門的な視点を交えながら分かりやすくご説明いたします。
電動ベッドの主な種類
① 1モータータイプ
背上げ機能のみを備えた最もシンプルなタイプです。上半身を起こすことで、食事やテレビ視聴がしやすくなります。
比較的安価で導入しやすい反面、下肢のポジショニング調整はできません。
② 2モータータイプ
背上げと膝上げを別々に操作できるタイプです。
背上げ時に同時に膝を軽度屈曲位にすることで、腹圧上昇や殿部のずれ(ずり落ち)を軽減できます。
褥瘡予防や安定した座位保持に有効です。在宅では最も使用頻度が高いタイプです。
③ 3モータータイプ
背上げ・膝上げに加え、高さ調整機能を備えたタイプです。
介助者の腰痛予防や、立ち上がり動作の補助に大きな効果があります。
床からの高さを適切に調整することで、足底接地を確保し、安全な立ち上がり練習が可能になります。
電動ベッドの正しい使い方
① 背上げは「角度」よりも「目的」を意識する
背上げ角度は一般的に30度〜60度が多く用いられますが、目的によって適切な角度は異なります。
・食事時:嚥下の安全性を考慮し、やや高めの角度
・安静保持:30度前後で循環負担を軽減
・呼吸苦の軽減:体幹前傾を促し横隔膜運動を補助
重要なのは、背上げのみで終わらせないことです。
必ず膝上げを併用し、殿部のずれを防止します。
② 膝上げは「拘縮予防」と「ずれ防止」に有効
膝を軽度屈曲位(約10〜20度)にすることで、ハムストリングスの過緊張を緩和し、腰部負担を軽減します。
また、体幹の前滑りを抑制し、仙骨部への剪断力を減らします。
ただし、長時間の膝上げ固定は膝関節屈曲拘縮を助長する可能性があるため、日中は角度変化をつけることが大切です。
③ 高さ調整は「立ち上がり能力」に合わせる
立ち上がりの際は、
・足底がしっかり床に接地する
・膝関節が約90度屈曲位になる
・体幹前傾が取りやすい高さ
に設定します。
高すぎると足が浮き、低すぎると筋力不足の方では立ち上がり困難となります。
理想的には「少し前傾すれば立てる高さ」が目安です。
よくある誤った使い方
・背上げのみで長時間放置
・毎日同じ角度で固定
・クッション併用をしない
・ベッドを下げたまま介助し続ける
これらは褥瘡形成や介助者の腰痛の原因になります。
電動ベッドとポジショニングの併用
電動ベッドは「姿勢を作る道具」であり、「姿勢を保持する道具」ではありません。背上げ後は必ず、
・頸部への枕調整
・腰部への三角クッション
・膝間クッション
・足部の支持
などを組み合わせ、身体アライメントを整えます。
特に仙骨部への圧集中を避けるためには、背部と殿部の接触面積を広げる工夫が必要です。
訪問マッサージの現場で感じること
在宅では、「ベッドがあるのに活用されていない」ケースが非常に多く見受けられます。適切に使用することで、
・起居動作の改善
・筋緊張の緩和
・呼吸状態の安定
・褥瘡リスクの低減
が期待できます。
私たちは施術だけでなく、ご家族様へベッド調整の具体的な方法もお伝えしています。
まとめ
電動ベッドは単なる「便利な家具」ではなく、生活機能を支える医療的視点を持った福祉用具です。
モーター数による機能の違いを理解し、目的に応じて適切な角度と高さを設定することが重要です。
日々の小さな調整が、ご本人様の安全性・快適性、そしてご家族様の介助負担軽減につながります。
訪問マッサージ「ダヴィンチの手」では、施術と合わせて在宅環境のアドバイスも行っております。
電動ベッドの使い方でお困りの際は、ぜひお気軽にご相談ください。
電動ベッドは、背上げ・膝上げ・高さ調整を適切に活用することで、褥瘡予防や起居動作の安定、介助負担の軽減につながる重要な福祉用具です。
姿勢を整える工夫は、身体機能の維持向上だけでなく、生活の質にも直結します。
【訪問エリア】
町田市・相模原市・多摩市・稲城市・八王子市周辺
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
今後も在宅介護に役立つ情報を発信してまいります。
岩井 将人
