採用コラム

ダヴィンチで学んだこと「自然治癒力を高める考え方と手技療法」


お世話になります。

ダヴィンチの手にて訪問マッサージを行っている岩井将人です。

今日は、ダヴィンチに入職し、いつも院長から言われている自然治癒力をテーマにしたいと思います。

自分なりの解釈を加え、調べたことをまとめました。

まず、自然治癒力についてですが、

人の身体には、生まれたときから「自分で回復しようとする力」が備わっています

私たち人間の身体には、生まれながらにして「自分で回復しようとする力」が備わっています。

日々の臨床の中で、その力が確かに存在していることを、私たちは何度も目にしてきました。

皮膚にできた傷が、特別な処置をしなくても時間とともに修復されていくこと。

体調を崩しても、十分な休養や睡眠によって回復していくこと。

これらはすべて、身体の中にある恒常性維持機構が働いている結果です。

この力は一般的に「自然治癒力」と呼ばれますが、医学的に見れば、

神経系・循環系・内分泌系・免疫系が相互に連携しながら身体を一定の状態に保とうとする、

生理学的に極めて合理的な仕組みです。

自然治癒力は、特別な人だけが持つものではありません。

人であれば誰もが本来備えている、生きていくために不可欠な機能です。

しかし、臨床現場では、この自然治癒力が十分に発揮されていない状態の方と多く向き合います。

特に、訪問マッサージの対象となるご高齢の方や、

慢性疾患・後遺症を抱える方、長期間活動量が低下している方では、

身体が「回復しにくい状態」に固定化されていることが少なくありません。

その背景には、単なる筋力低下だけでなく、

感覚入力の低下

運動制御の破綻

自律神経機能の乱れ

循環不全

といった、複合的な要因が存在しています。

身体を動かす機会が減ることで、脳と身体の情報のやり取りは次第に乏しくなります。

結果として、

力の入れ方がわからない

不要な緊張が抜けない

思った通りに身体が動かない

といった状態が生じやすくなります。

私たちダヴィンチでは、こうした状態に対して、単に筋肉をほぐす、可動域を広げるといった表面的な変化だけを目的とした施術は行っていません。

大切にしている考え方

大切にしているのは、

身体が本来持っている回復機構が「働きやすい状態」を整えることです。

そのための臨床的な軸として、

PNF

CKC

背部リコイル

という三つの視点を重視しています。

PNFとは何か

神経と筋を再びつなぐための考え方

PNFとは、Proprioceptive Neuromuscular Facilitation、固有受容性神経筋促通法の略です。

PNFは筋力トレーニングの手法ではありません。

本質は、固有受容感覚を通じて中枢神経系に正しい運動情報を入力し、脳と身体の協調性を再構築することにあります。

私たちは身体を動かすとき、筋肉だけで動いているわけではありません。

関節の位置

筋の張力

姿勢の変化

これらの情報が常に脳へ送られ、それをもとに運動が調整されています。

しかし、活動量の低下や長期臥床が続くと、この感覚入力は著しく低下します。

その結果、動かせないのではなく、「どう動かしていいかわからない」状態になります。

PNFでは、施術者が適切な触圧刺激と運動方向を提示することで、

この方向に動いてよい

この強さで大丈夫

という情報を身体に伝えていきます。

これにより、過剰な緊張が抑制され、協調的な運動が引き出されやすくなります。

訪問マッサージの現場においてPNFが有効なのは、重度要介護状態であっても、神経系へのアプローチが可能である点にあります。

PNFは、筋を鍛えるための手段ではなく、動きの質を回復させるための技術です。

CKCとは何か

生活動作を支える身体のつながり

CKCとは、Closed Kinetic Chain、閉鎖性運動連鎖を意味します。

CKCの特徴は、末端が支持面に接した状態で運動が行われる点にあります。

立ち上がる

立位を保つ

歩行する

移乗する

これら日常生活動作のほとんどは、CKCの要素を含んでいます。

CKCでは、足部だけでなく、膝関節、股関節、骨盤、脊柱が一体となって機能します。

そのため、単関節的な筋力強化ではなく、全身の協調性が重要になります。

高齢者の転倒や不安定性の多くは、筋力不足というよりも、

支持性の低下

姿勢制御の破綻

感覚入力不足

によって生じています。

CKC的なアプローチでは、支持面からの反力を身体で受け止める経験を通して、

身体を支える感覚

バランスを保つ感覚

安全な力の使い方

を再学習していきます。

これは、生活を安全に続けるための土台づくりであり、訪問マッサージの現場において極めて重要な視点です。

背部リコイルとは何か

脊柱を介して全身を整える施術

背部リコイルは、骨盤から脊柱にかけてごく穏やかな揺らし刺激を加える施術です。

強い圧や急激な操作は行いません。

脊柱は、身体の構造的な支柱であると同時に、脳と身体をつなぐ情報の通り道です。

脊髄を介して体性神経・自律神経が走行し、脳脊髄液が循環しています。

脊柱周囲の緊張が強く、可動性が低下すると、

神経伝達

循環

自律神経調整

に影響を及ぼします。

背部リコイルでは、ゆっくりとしたリズム刺激によって、脊柱周囲筋の過緊張を緩和し、微細な可動性を引き出します。

これにより、脳脊髄液の排出・吸収・増産が促され、全身の体液循環が改善すると考えられています。

臨床的には、

呼吸が深くなる

表情が柔らぐ

発声が安定する

といった変化が見られることも少なくありません。

これは、身体が安心できる状態へ移行している一つの指標とも言えます。

町田市・多摩市を中心とした周辺地域の訪問マッサージ

ダヴィンチの手は、町田市・多摩市を中心とした周辺地域において訪問マッサージを行っています。

訪問マッサージは、単なる施術提供ではなく、生活そのものに関わる医療です。

ご利用者様の身体状況

生活環境

介護体制

他職種との連携

これらを総合的に捉えながら、日々臨床判断が求められます。

その中で、国家資格を持つマッサージ師として、知識と技術をどのように活かすかが問われます。

ダヴィンチでは、

症状を見る

筋を見る

関節を見る

だけでなく、

神経

動き

生活

まで含めて身体を捉える視点を大切にしています。

求人として私たちが伝えたいこと

私たちが求めているのは、

決められた手技を繰り返すだけの施術者ではありません。

身体を深く理解したい

臨床力を高めたい

訪問という医療の現場で本質的な施術を行いたい

そう考える、国家資格を有するマッサージ師の先生方です。

PNFCKC、背部リコイルは、単なる技術ではなく、

身体をどう捉えるかという臨床哲学です。

身体を無理に変えるのではなく、

身体が本来持っている力を引き出す。

その積み重ねが、ご利用者様の生活を支え、施術者自身の臨床の深みにつながっていきます。

町田市・多摩市を中心とした周辺地域の訪問マッサージの現場で、

国家資格者としての専門性を存分に発揮したい先生方と、

私たちは一緒に臨床を積み重ねていきたいと考えています。

ダヴィンチでは、

施術者として成長し続けたい方にとって、

学びと実践が循環する現場であり続けます。

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今後も一人でも多くのマッサージ師を加え、皆で医療貢献が果たせればと思います。

訪問マッサージ ダヴィンチの手

あん摩マッサージ指圧師 岩井将人


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