在宅・施設で臨床力を高めたいあん摩マッサージ指圧師の方へ|骨盤・体幹の評価と介入を"実践"で学ぶ訪問現場
「流れ作業の施術ではなく、臨床として手応えを感じたい」
「在宅・施設での介助量や動作レベルに、施術で関わっていきたい」
「マッサージだけでなく、運動療法や動作につながる介入も整理したい」
「患者様の生活の中で、継続的に変化を積み上げたい」
このような想いを持つ あん摩マッサージ指圧師 の方にとって、
訪問の現場は"技術を使い続けながら伸ばしていける環境"になり得ます。
特に、患者様の身体状況は日々変動しやすく、限られた時間の中で
評価 → 仮説 → 介入 → 再評価 を繰り返すことが求められます。
訪問領域で重要になりやすい 骨盤(Pelvis)と体幹制御 を軸に、
「高齢者に対して臨床をどのように組み立てるか」
「手技と運動をどう接続するか」
「生活動作(立ち上がり・移乗・歩行など)へどうつなげるか」
といった観点から、まとめます。
在宅・施設の臨床で求められる視点(疾患名だけでは整理できない領域)
訪問で出会う対象者は、疾患名だけで状態を理解するのが難しいケースが多くあります。
実際には、次のような"生活課題"が重なっていることが少なくありません。
- ADL低下(立ち上がり、移乗、歩行、整容、更衣など)
- 体幹機能低下(座位保持不良、起き上がり困難)
- 関節拘縮(肩・股・膝の伸展制限、内転拘縮など)
- 疼痛(腰痛、肩痛、膝痛)
- 筋緊張異常、協調運動障害、感覚鈍麻
- 認知機能低下による協力動作の乏しさ
そのため、臨床では「一部位だけを見て終わる」のではなく、
姿勢と動作を含めて全体像を捉える視点が重要になります。
骨盤・体幹を評価することの意味(動作を整えるための整理)
骨盤は、解剖学的に体幹と下肢を連結し、運動学的には
- 骨盤前傾/後傾(Sagittal plane)
- 骨盤挙上/下制(Frontal plane)
- 骨盤前方回旋/後方回旋(Transverse plane)
などを通じて、姿勢の安定や荷重の取り方、動作のしやすさに影響します。
高齢者では、骨盤・体幹の可動性が低下すると代償動作が増え、結果として
- 腰椎の過前弯(反り腰)または後弯
- 胸椎後弯優位の円背
- 股関節屈曲拘縮
- 大腿四頭筋・TFL優位
- 臀筋群の不活性化
- 立ち上がりでの前方重心移動困難
といったパターンが固定化しやすくなります。
これらは「姿勢の見た目」の問題だけでなく、介助量や疲労感、転倒リスクにもつながるため、
臨床として早めに整理していく価値があります。
高齢者の骨盤前傾運動は"腰を反らす"ことが目的ではありません
骨盤前傾という言葉は有名ですが、現場では
「腰を反らせばいい」
「胸を張る姿勢を作る」
という誤解につながることがあります。
しかし高齢者に対しては、腰椎過伸展を強めるのではなく、
- 骨盤可動性の再獲得
- 体幹の分節運動(脊柱のしなり)
- 呼吸パターンの改善(胸郭拡張)
- 立ち上がり・移乗・歩行への前方移動の獲得
こういった目的を意識することで、安全性と再現性が上がります。
骨盤前傾"だけ"に偏らず、骨盤後傾との往復で「動かし分け」を作っていくことが重要です。
訪問で多い「骨盤が動きにくい」背景
骨盤の可動性低下は筋力低下だけでなく、生活背景が大きく関係します。
- 長時間座位(車椅子生活、ソファ生活)
- 活動量低下による股関節伸展不足
- 前方リーチ動作の少なさ(生活環境・認知面)
- 体幹回旋の欠如(寝返り減少、歩行量減少)
- 呼吸浅化(胸郭可動性低下)
これらが重なると「骨盤が固い」というより、
動かし方を使わない期間が長くなっている状態になりやすいです。
そのため、介入では筋トレだけでなく、
神経系を含めた再学習(Motor learning)の要素が必要になります。
座位での骨盤前後傾(Pelvic tilt)は在宅で実用性が高い
在宅・施設では「安全に継続できる形」が何より重要です。
椅子や車椅子で行える骨盤前後傾は、訪問領域で非常に現実的な介入の一つです。
座位で実施するメリット
- 転倒リスクが低い
- 疲労が少ない
- 介助者が見守りしやすい
- 毎日継続しやすい
- 立ち上がり動作へ接続しやすい
この運動が適切に入ると、患者様の姿勢・上肢リーチ・立ち上がりの質に変化が出るケースもあります。
あん摩マッサージ指圧師だからできる「手技×運動」の組み立て
訪問あん摩マッサージ指圧師の強みは、手技によって
- 軟部組織(筋膜・皮下組織)の滑走性改善
- 循環促進(浮腫、冷感、皮膚状態)
- 疼痛緩和(痛み→動作不良の悪循環を切る)
- リラクゼーション(筋緊張の抑制)
を先に作りやすい点にあります。
骨盤前後傾などの運動を入れる前段階で、
- 腸腰筋・大腿直筋の過緊張
- 腰背部の過緊張(脊柱起立筋、QL)
- 臀筋の不活性
- ハムストリングスの過緊張
が強い場合、手技で「動ける下地」を作ることで
運動療法の質が上がり、患者様の受け入れも良くなることがあります。
例:訪問30分での臨床の流れ(イメージ)
- バイタル/疼痛/覚醒度チェック
- 体幹・骨盤の可動性評価(座位・背臥位)
- 腰背部の緊張緩和+股関節前面の調整
- 座位で骨盤前後傾(呼吸同期)
- 立ち上がり動作へ接続(可能なら)
- 生活内での宿題(10回×1セット)提示
このように、施術を「やった感」ではなく
次回につながる臨床設計として組めることが、訪問では大きな価値になります。
生活動作につながる支援が、訪問のやりがいにつながる
訪問の臨床で大切なのは、施術後の可動域変化だけでなく、最終的に
- 立ち上がりが少し楽になる
- 移乗の介助量が軽減する
- 座位保持が安定する
- 上肢リーチが出て更衣が楽になる
- 呼吸が入りやすくなり表情が変わる
といった 生活の変化につながることです。
こうした変化が積み重なると、ご本人だけでなくご家族・施設スタッフからの信頼にもつながり、
訪問施術のやりがいを強く感じられる場面が増えていきます。
まずは見学・相談からでも大丈夫です
訪問領域に興味があっても、
「自分にできるか不安」
「現場の流れを見てみたい」
「臨床を学べる環境なのか知りたい」
という気持ちは自然なことです。
まずは見学や相談からでも構いません。
在宅・施設の臨床で、あなたの経験や技術が活きる形を一緒に考えていければと思います。
訪問エリアは、
東京都町田市、多摩市、稲城市(全域)、府中市、国立市、調布市、日野市、八王子市(一部)、
神奈川県相模原市、横浜市青葉区、川崎市麻生区・多摩区などです。
何かお困りのことがありましたら、お気軽にお声かけください。
