訪問マッサージの在り方(真心の訪問マッサージ)
お世話になっております。
訪問マッサージ、ダヴィンチ治療院の神田です。
今日は、当院の訪問マッサージにおける考え方について、お話したいと思います。
さて、その前に、
ごく、当たり前のことを言いますが、
あくまで、訪問マッサージは人が行っているサービス、ということになります。
ですから、完璧なものは提供できない、完璧なものはそもそも無い、ということになります。
言われると、「それはそうだろう」と思うのですが、
実際の訪問では、周囲の方から完璧な結果を求められることも少なくありません。
在宅の方で、慢性期で、元々が高齢者、ということを考慮すれば、
正直、状態を維持する(悪くならない)だけでも、やっとの方も大勢いらっしゃいますが、
「前みたいに歩けるようにして欲しい」、「なぜ良くならないのか?」、などと言われることが多々あります。
在宅での臨床経験を積むにつれ、現実と理想との間にヤキモキさせられますが、
どうにかなることもあり、どうにもならないこともある、
これが在宅医療全般に言えることであり、訪問マッサージの実態でもあると思います。
その中でも、少しでも良い結果を出せるよう、
完璧に少しでも近づけるよう頑張っているのですが、
本当に難しいことも多々あります。
そのことについて、私の業務を通じて、少し説明をさせて頂きます。
私は、日ごろ、自分の訪問自体はほとんど行っておらず、
多くの時間を新規のご依頼(体験訪問)やスタッフ指導、院内の管理業務にあたっております。
特にこの7~8月は、感染拡大が進む中でも、非常に多くのご依頼を受け、
2日に1回の頻度にて、体験訪問(初期評価)を行わせて頂きました。
実に色々なご相談(ご依頼)内容があり、
かなり病状的に難しいケース、複合的な症状を抱えているケース、
依頼内容の目標ハードルが高いケースなど、
施術の方針やプログラムなど、どう設定するべきか、どこまでならできそうか、
悩む場面が、何度もありました。
重要な前提として、実際の訪問は私ではなく、訪問スタッフが行いますので、
患者様とスタッフとの相性(性格や施術タイプ、考え方など)を第一として考え、
次に、開始後どのように訪問が展開されていくかイメージし、予想を立ててから、
お一人お一人の患者様に具体的なプランをご提案し、訪問が決定します。
どうしても、その日時以外は訪問できない、という状況を除いては、
おおよそは、当方の提案した内容でご了承を頂き、訪問が開始されていきます。
当院も開設して10年あまり、私も10年近く、こうした管理業務を行っているため、
概ね、私の予想した通りの展開となり、
施術も順調に行われ、患者様達にも当院の訪問を喜ばれています。
ただ、それが全てということではなく、中には上手くいかないケースもあります。
それは、そもそも、
体験訪問での1時間余りで、身体状況を可能な限り、全て把握しようとしていること、
事前の医療的情報が少なく、今までの病歴、原疾患の経緯や状態変化を把握できないこと、
ご本人の人生観・価値観、今までの生きてきた経緯、家族や人との関り合い、を掴みきれないこと、
等々、
限りある情報下の中で、私の評価や判断が不十分なために起こることなのですが、
それ以外にも、
患者様の身体機能における残存性が低く、どうしても能力向上には結びつきにくい、
拒否傾向があり、当院の訪問がスムーズに実施できない、
認知機能の低下から、ご自身で体現されることが難しく、習慣化が図れず、効果が得られにくい
当初の状況から想定外のイレギュラーなこと、急なアクシデントが起こってしまう、
患者様とスタッフ間のコミュニケーション・意思疎通が不十分となり、信頼関係の構築が図れなかった、
患者様の希望(ホープ)と当方の目的・目標が合致せずに、訪問が上手く進まなかった、
など、の問題もあります。
これらを細かく一つずつ列挙したら、無数にあってキリがないですが、
言うなれば、
これらの問題は、対人サービスであれば、必ず起こるべくことであり、
私が一人の人間であり、訪問スタッフも人間、患者様も人間である以上、致し方ないことです。
それぞれに、皆、別々の意志(観念)を持っている人間となりますから、
患者様との完全な意思の合致はできませんし、
人が手を使って直接行っている以上、機械のように正確無比、完璧な施術もできません。
当院のスタッフも、皆、マッサージ師として日々努力を重ねていますが、
完璧・完全な治療にまでは、決して至らないでしょう。
ただ、それに代わるものとして、
「誠実さを持って、一生懸命にやる訪問マッサージ」をぜひ、患者様に提供したいと考えています。
完璧な施術は不可能でも、一生懸命にやる施術は、不可能ではありません。
逆に、一生懸命さがあるからこそ、人間らしいのであり、施術という対人行為になり得るのではないか、と思います。
ダヴィンチ治療院で行う訪問マッサージは、これを突き詰めていきたいと考えています。
患者様に対し、こうしてあげたい、こうなって欲しい、という主観的な気持ちが最初にあり、それを少しでも実現すべく、
知識や技術の習得に努め、可能なこと、不可能なことを見極め、
その方のために最善と思われることを提供する、提供しようとする、のです。
これが、施術=医療サービス=対人サービスの根底ではないかと思います。
そのために、会社・治療院としても、それが十分に行える環境を作ろうと努めています。
治療院としての環境設定、働く環境がしっかり整っていないと、
訪問するスタッフがいくら頑張ろうとしても、それを十分に発揮させられないからです。
訪問するスタッフの努力、治療院の努力が相まって、
初めて、人のために一生懸命に頑張れる治療院になる、のではないかと思います。
誠実な心とは、嘘偽りのない心のことであり、真心(まごころ)です。
当院では、スタッフ全員が真心を持って、訪問に臨んで参ります。
今日は、抽象的な話になってしまいましたが、
当院で行っている、
1訪問40分の施術、リハビリ面の強化、1日の訪問件数制限、などは、
そのための働きの一環として、考えて頂けたらと思います。
今後も、この町田市を中心として、できる限り多くの患者様のために、尽力していきたいと考えております。
引き続き、ご支援のほどよろしくお願い致します。
町田市の訪問マッサージ ダヴィンチ治療院
理学療法士・あん摩マッサージ指圧師 神田裕幸
真心は、「真」の心と書きます。本当の自分、素直な自分の心です。
そうした気持ちが前面にないと、良い医療(施術)には結びつかないと思います。