マッサージは本来の手当て
お世話になっております。
ダヴィンチ治療院、院長の神田です。
当院も開設してすでに12年目に入っていますが、ここ最近になって、思うことがあります。
それは、マッサージの役割と意義についてです。
私はもともと、訪問マッサージを行う前は、訪問看護ステーションに在籍していました。
そこで、理学療法士として訪問リハビリに携わっていたのですが、
運動や訓練中心のリハビリのみでは改善の限界を感じ、
あん摩マッサージ指圧師の学校に通い、資格を取得したという経緯があります。
当院は訪問マッサージではありますが、
新規のご依頼内容としては、理学療法士が院長ということもあり、リハビリ希望が7割を超えています。
マッサージにリハビリを加えることにより、包括的なアプローチが可能になる、改善性、治療効果も向上する、
そうして始めたことでしたが、実際においても、結果を少しずつ積み上げてきたと思います。
今までには難しい案件、ご依頼ケースもありましたが、それでも何とか期待に応えてきました。
どんな状況下でも工夫し、結果を出すことができた背景として、
やはり、当院の訪問がマッサージとリハビリをこなすトータルアプローチであったからと言えるでしょう。
極論を言えば、治療も確率なのです。
幅広い施術内容を用意し、個人に着目したプログラムを遂行すれば、治療確率は上がります。
マッサージとリハビリ、両輪をこなせるということは、そういう意味合いを持ちます。
それに加えて、当院ではアメリカ医学であるオステオパシーやカイロプラクティックの概念も取り入れ、
更に個性のあるマッサージ師が加入することで、各々の得意な特殊手技なども取り入れることができます。
まさに、トータルアプローチです。
もう一つ、付け加えるとすれば、最初に私が患者様のお宅に訪問し、初期評価を行うことで、
患者様のニーズ、施術の相性やスタッフとの適応なども見極めることができる、という意味もあります。
ここで、今日の本題に移りますが、
そうなってくると、今後の課題として、現状のトータルケアに加えて、
マッサージの質自体が求められる、というレベルに至ります。
私は、スタッフに運動学や動作のバイオメカニクス、介助法や運動処方について研修・現場で指導してきましたが、
日々の努力により、多くのスタッフが、マッサージ+リハビリを一定レベルで行えるようになります。
これにより、多くの社会的・医療的ニーズに応えることが可能となりますが、
この先、本当に難しいのは、我々の本業(本来の役割)ともいえる、マッサージについてです。
最近になって、特に強く感じるようになったのですが、患者様に触れる、マッサージをする、というのは奥が深い、
奥が深いというより、底がない、完璧というものがない、
山で言えば、いくら登っても頂きが見えない、という感覚でしょうか?
一見、同じような施術を行っていても、結果が大きく異なる、まったく別物になってしまう、ということが多々あります。
同じマッサージでも、一方は症状が改善していく、一方はあまり変わらない、もしくは効果が持続しない、
これは、一体何なのか、なぜ全く同じようにマッサージをしていても違いが出るのか、ということを追求していくと、
マッサージ=手当て=治療の原点・治療の本質 ではないか、という答えに行きつきました。
また、手当て治療(療法)を突き詰めていくと、
筋肉や関節などの筋骨格系のみならず、内臓系、精神系まで効果を得ることができ、
別の観点からいえば、器官や組織にとどまらず、細胞や分子レベルにまで効果を見出すことができるようになる。
現代医学は、主に薬剤を用い、生理的作用を機序とした医療となっていますが、
今、述べた手当て治療とは、対局的な立場となります。
そして、マッサージ・手当ての良しあしによっては、
薬剤以上に細かなレベルにまで、生理的な作用を見出すことができるのでは?とも考えております。
最近の依頼として、原因不明の痛みや痺れ、数か月前までは歩けていたが、急に歩けなくなった、などの内容が増えています。
こうした中、マッサージを行、患部を撫でる、擦ると、
それらの症状が消えていく、軽くなってしまう、といったことが起こります。
おそらく、体にたまった老廃物、細胞や血液などにおける不純物において、流す(排出する)ことができているのだろうと思います。
画像上の根拠はないですが、治療を行う手を通して、そうした感覚を得ることができるのは確かです。
マッサージ師の可能性、今後の役割として、
こうした視点が非常に重要なのではないか、多くの患者様を救う手立てにもなるのではないか、と個人的に考えています。
ダヴィンチ治療院として、こうした手を目指す、手当の意義についても、ぜひ追求できたらと思います。
では、今日はこの辺で失礼いたします。
町田市・多摩市・稲城市・多摩エリアの訪問マッサージ
ダヴィンチ治療院 理学療法士・あん摩マッサージ指圧師 神田裕幸
閉塞性動脈硬化症から、一側の下肢を切断、対側も非常に強い痛みがある方です。
最初は大腿部も触れると激痛が走りましたが、今は足部までアプローチ可能です。
痛みも半分程度までは改善してきました。
皮膚が保護され、直接触れられませんが、それでも効果は得られています。
対側下肢も切断について話合いがずっと続いています。このまま改善していき、残存できればいいのですが。